復職(休職者)
復職までのプロセス
①復職要件を確認する
②現在の状態を把握する
③休職原因を分析する
④再発防止策をまとめる
⑤通勤訓練を開始する
⑥リワーク活動報告書を作成する
⑥リワーク活動報告書を作成する
復職までのプロセスは復職要件を確認することからスタートします。
復職要件は、休職した利用者が所属している会社が作成します。会社は休職者の復職に対して、情報提供書に復職要件(復職時期の目安、会社が望む本人の状態と仕事の処理能力)を具体的に記入します。復職要件に書かれている条件がクリアされれば、会社は復職を認めることになります。
リエンゲージメントでは情報提供書を受け取るだけではなく、必要に応じて会社の休職担当者と連絡を取り、復職要件をより詳細に把握します。また休職者本人が直接会社に話しづらいことも、企業担当者に確認しています。
休職者の状態を、公認心理師・臨床心理士の資格を持つ心理職が面談を行うことで把握します。
状態は四つの側面から把握します。
| ① 身体面 | 疲労の蓄積と体力低下 |
| ② 心理面 | 悩みや不安、認知の傾向 |
| ③ 社会面 | 人間関係のトラブルとコミュニケーションエラー |
| ④ 仕事面 | 仕事を処理するスキルの低下 |
四側面からの現状把握後に、心理職が身体面と心理面、社会面、職業面の課題を抽出します。
休職原因の分析も、公認心理士・臨床心理士の資格を持つ心理職が担当します。
休職は、医師が病名を付与し、働くのが困難な身体及び心理状態であると診断したときに下されます。病名は同じであっても、人によって原因は多岐にわたり、複数の要因が重なった結果であることが多いです。休職者ご自身が自覚できている原因と、自覚できていない原因があります。休職した原因に伴う傷つき体験を思い出すのは辛いものですが、流れの中で分析していきますので、自覚していなかった強みとなるような、復職後に安心できる要素も見つけていきます。
再発防止策はトリセツ(自分の取扱説明書)として作成します。
心理職との面談の中で明らかになった休職の原因と対策をつくることを目的にするのではなく、復職後に使う・活かすことを目的に一冊にまとめていきます。
通勤訓練は復職目安時期の2ヶ月前から開始します。
会社の始業時間に合わせて就寝、起床するリズムを身につけて、始業時間に合わせた電車に乗ります。慣れてきたら、逆のパターンを試します。出社訓練時は就業時間になるまで会社の近くで待機して、退社訓練時は帰りの時間に合わせた電車に乗ってみます。余裕を持ったスケジュールで無理のないように進めていきます。
復職する際は勤務先の場所に足を踏み入れる時ではなく、家を出発する時から緊張感が高まります。通勤訓練を通して、緊張感が高まった際の対処法を検討したり、“慣れ”によって緊張感を穏やかにしたりすることで安心して通勤できるようにします。通勤訓練という名前ですが、実際はいろいろと実験を繰り返して良い感覚を掴んでいくものです。
リワーク活動報告書はリエンゲージメントで作成して企業に提出します。
費用は掛かりません。リワーク利用中にどのように活動していたのか、どのくらい復職準備が整っているのかを第三者視点で企業に報告します。リエンゲージメントでは内容を休職者と共有し、現状や今後の課題について合意の上で作成します。
復職面談は産業医を始め、上司や復職担当者と行います。
休職の要因や再発防止策について理解し、ご自身の口で説明ができることが必要となります。レポート提出を課す企業もありますので、面談に向けて事前準備が必須です。企業は、復職面談の様子やリワークの活動報告書の内容から、会社が求める復職要件を満たしているかどうかを検討し、復職の可否を判断します。
主治医との連携
①診療情報提供書(就労可否書)の作成をお願いする
②通院同行で主治医の復職への指示内容を確認する
これまでの症状や現在の処方薬などの情報を主治医から提供してもらいます。
心理職の視点で、復職に向けて必要な課題の抽出や復職要件のクリアに向けて情報を活用します。
服薬調整が必要な体調の不安定さや、本人の努力だけでは解決できない問題が発生した場合には、主治医のサポートが必要となります。
休職中だけではなく、復職後を想定した体調のコントロールができるように主治医と協力していきます。
振り返り面談
①メンタル不調に陥ったパターンを知る
②メンタル不調のパターンを成立させているメカニズムを理解する
③メンタル不調のパターンを断ち切る
リエンゲージメントでは毎週、心理職(公認心理師・臨床心理士)が個別面談を行っています。
面談の中で最も重要なのは振り返り面談です。振り返り面談は休職者が休職に至った経緯を振り返るものです。過去の傷つき体験を振り返るのは辛いことですが、振り返ることで不適応に陥ったパターンとメカニズムを知り、そして新たな強みの発見につながります。心理職が、休職者が辛い過去を再体験しないように十分にケアしながら進めています。
休職者から休職に至った経緯が下記のように語られたとします
①ある朝、出社できなくなりクリニックを受診した
②徐々に食欲がなくなり、夜は眠れなくなった
③仕事でミスをたくさんしてしまった
④自分は本当にダメな人間だと頻繁に考えるようになった
⑤上司である課長から注意され、信頼を失った
内容を時系列に整理すると、下記のようなパターンが見えてきます
① 仕事上のミスを多発
![]()
② 上司の信頼を失う
![]()
③ 自責の念が強くなる
![]()
④ 身体反応が出現
![]()
⑤ 出社困難で受診
休職に至った経緯を話すのは休職者にとって負担が大きいことです。リエンゲージメントでは、休職者が負担に耐えられるまでに回復しているかを確認して、また振り返り面談を複数回に分けることで心理的安全性が崩れないように進めています。
メンタル不調のパターンを成立させているメカニズムを理解する
①仕事上のミスを多発
②上司の信頼を失う
③自責の念が強くなる
④身体反応が出現
⑤出社困難で受診
上記のようなパターンを掴んだ後は、結果である⑤のフェーズに至るまでの①~④のフェーズを分析します。
1.仕事上のミスを多発
このときに心理職がミスに共通している項目を抽出して、メンタル不調のパターンを成立させているフェーズのメカニズムを分析します。
A~Cのミスは誰でも経験があるうっかりミスですが、この3つのミスに共通しているのはマルチタスクの処理です。PC入力をしながら電話で話すことは2つの作業が重なることになります。仕事中の雑談も同じです。デスクに忘れ物をするのは、帰り支度には日報記入や上司への報告など、複数のタスクが重なってやるべきことが抜け落ちてしまうためです。このようにミスに共通する項目を見つけて、それを予防する対策を心理職と一緒に考えていきます。
2.上司の信頼を失う
②の“上司の信頼を失う”ことは、事実とは限りません。あくまで休職者が主観的に判断している内容です。ミスをしたことに対して過剰に反応してしまうと、他者の言葉が頭に入りづらくなります。このフェーズでは、休職者に過剰反応傾向がないかを確認します。
3.自責の念が強くなる
③の“自責の念が強くなる”は、休職者の認知傾向を表しています。認知傾向は考え方や物ごとの捉え方のクセを指します。真面目で責任感が強い人ほど、自責の念が強くなる傾向があります。このフェーズでは、心理職が休職者の認知傾向を分析して、必要に応じて認知の幅を広げ、様々な可能性で捉えられるようにアプローチしていきます。
4.身体反応が出現
④の“身体反応が出現する”は、メンタル不調の再発防止には重要な情報です。メンタル不調は突然起こるものではなく、緊張や不安が長い間に積み重なり、耐えることができなくなったときに発症します。緊張や不安が重なったときにどんな身体反応が出るかを知っておくと、メンタル不調の防止策の作成に役立ちます。
メンタル不調のパターンとメカニズムを明らかにした後は、トリセツ(自分の取扱説明書)を作成して、メンタル不調のパターンを断ち切ります。心理職が専門知識を提供することで、より効果的なトリセツが完成します。
トリセツ
①認知傾向と行動傾向への対処法を作成する
②再発予防策を見える化する
③ストレスコーピングリストを作成する
心理職との面談の中で見えてきた認知傾向と行動傾向は、場面ごとに特徴と傾向、対処法をまとめます。
私の取扱説明書
①断ることは悪いことだと思ってしまい、NOが言えない
②分からないことがあるのは恥だと思って質問できない
③1人で作業することは好き
④ハマると没頭して時間感覚が無くなる
⑤ピンチな時ほど「大丈夫です!」と言ってしまう
- YesかNoかの2択にしない。何ができて何が難しいかを伝える
- YesかNoかの2択にしない。何ができて何が難しいかを伝える
- 集中したいときは周囲にお願いをする
- タイマーを活用する
- 反射的に言ってしまったら、ピンチのサインだと自覚して一旦落ち着く
メンタル不調の再発予防策は悪循環を見える化して、良循環に変える方法も明記します。
再発防止策 ①
悪循環の見える化
再発防止策 ②
悪循環を良循環に変えるために何をしたら良いか
- ストレスが溜まる → ストレス対処を意識する
- ストレスを解消したい欲求が高まる → 相談する
- 夜更かしでゲームをする → 寝る準備をする
- 寝不足 → 寝る
- 気持ちが落ち込む → 落ち込みは否定せず動く
- 人と話すのが億劫になる → 今の状態を受け入れる
- 報連相が減る → メモやチャットも活用する
- 反射的に言ってしまったら、ピンチのサインだと自覚して一旦落ち着く
- 行き違いゆえのミスが多発 → ミスを受け入れる
ストレスコーピングはストレスへの対処法を指します。
ストレスの原因はストレッサーといいます。人は、適度なストレッサーに対してストレスコーピングが拮抗している状態が精神的な健康状態です。
左のストレッサーの大きさに対して、右のストレスコーピングの大きさが同じです。これが健康な状態です。メンタル不調は、左のストレッサーが右のストレスコーピングより大きくなり、拮抗していたバランスを崩して右の方に押している状態になります。バランスを崩さないようにコーピングリストを作成して、ストレスコーピングを強化します。
就労後も続けた方が良い習慣
① 休日も平日の2時間以内に起きる
② 土日のどちらかは予定を入れずに、身体を休ませる
③ 日曜日の夜は平日の夜と同じ生活をして過ごす
気分転換方法(アクティブ系)
- カラオケ
- 観光
- だちと遊ぶ
- スポーツ観戦
- アミューズメントパークでの体験
<
リワーク活動報告書
①面接の本質は、就活生と企業が求めるものが合致しているのかを話し合う場
②面接中に緊張したときは 「緊張しています」 と言う
③面接での返答は 「ワンコンテンツ」 と 「結論+理由の順番」 で話す
面接の本質は、就活生と企業が求めるものが合致しているのかを話し合う場
面接では就活生が、自分がどういう人間でどんなスキルがあり、どんな仕事をしたいのかを話し、企業側がどんなスキルを持った人材を採用したいかを話す場です。そのために就活生は、自分がどういう人間であるかを知ってもらうために自己紹介文を考え、自身のスキルを棚卸し、志望理由をまとめておくことが必要となります。
リエンゲージメントでは、就活生が主体的に自己紹介と獲得スキル、志望理由を準備できるようにサポートしています。面接に合格するために、面接で話すキーワードを暗記させたり、企業側に逆質問したりするテクニックを教えることはありません。面接の合格は双方が望むことのマッチングの良さとしての結果であって、スキルの高い人物を演じることや面接テクニックが評価されて合格するとは考えていないからです。
リエンゲージメントでは、就活生の 「面接中に緊張したときはどうすればよいか?」 という質問に対して、「緊張しています」と言って構わないと話しています。
面接で “緊張していた” という理由で不合格になることはありません。面接で不合格になるのは、緊張が原因で何も喋れなくなったときと、緊張が原因で結論のない話を延々と続けてしまったときです。面接者の質問に対して頭が真っ白になって何も言葉が出てこなくなった時は、「緊張しています。すみません、頭の中を整理してみます」 と言います。何も言わずに黙り込むことは避けるようにします。そうひとこと言えば、面接者はいくらでも待ってくれます。
面接での返答は 「ワンコンテンツ」 = 1つの内容を、結論を言ってから理由を話すことが基本となります
面接では1つの質問で複数の内容を聞かれることはありません。「どのような状況で? どう考えたのか?」 のような、状況と思考の2つを同時に聞いてくる質問は無いのです。緊張している就活生に対して、質問が負担にならないようにする企業側の配慮があるためです。
複数の内容を聞かれることは無いので、返答は1つの内容に限定されます。面接では理解力も測られますので、何を聞かれているのかを正確に把握します。返答するときは手短に、結論を言ってからその理由を話します。この方法で話すメリットは、話す時間を短くするので緊張していても対応できることと、結論を最初に言っているので、理由が上手くまとまらなくても返答は完了していることです。
この方法は、面接時の緊張で早口になったり、口が乾いて喋れなくなったり、話が拡散したりする傾向がある人には有効です。リエンゲージメントでは、面接シミュレーションを行ってから本番の面接に望んでいます。
就活同行
①ハローワークの同行
②企業説明会の同行
③職場実習の同行
④企業面接の同行
リエンゲージメントでは企業イベントの他に、ハローワークへも完全同行しています。
ハローワークは一般求人部門と障害者枠求人を取り扱う専門援助部門に分かれています。専門援助部門では求人紹介を受ける他に、専門サポーターによる面接ロールプレイで面接指導を受けることもできます。またハローワークにはインターネットサービスの求人情報の他に、インターネット上には掲載されない非公開求人があります。同行時に非公開求人内容を確認して、就活生の応募サポートも行っています。
企業説明会の開催情報は、ハローワークやエージェントから入手できますが、リエンゲージメントでは企業からも多くの開催情報が直接送られてきます。
企業説明会は支援員の同行を義務づけている企業が多いので、就労移行に通所している就活生の方が有利になります。企業説明会に同行するときは、企業側に確認する正社員登用の条件やキャリアパスを、事前に就活生と打合せしています。
職場実習の同行は、実習初日のオリエンテーションと最終日の振り返り面談で行います。
振り返り面談は実習の振り返りと次の面接への選考を兼ねていますので、重要な場になります。また振り返り面談は、支援員の同席が義務づけられている場合が多いです。面談内容は企業側の実習総評と、実習生の感想や気づき、作業の向き不向きの報告の場ですが、支援員も質問を受けます。
質問内容は、実習生が今後働く上での課題や不安材料です。このとき企業側は支援員も観察します。どのような専門資格を持っていて、どんな支援ができるのか、職場で問題が起きたときに頼りになる人物かを査定します。リエンゲージメントでは心理的問題を解決する公認心理師・臨床心理士資格と、職場で起こる問題を解決するジョブコーチ資格の両方を持つ専門スタッフを常勤で配置しています。
企業面接は、一次面接は支援員の同席が指定されていて、最終面接は支援員同席の場合と、同席不可の場合に分かれます。
企業面接は支援員としての力量がもっとも問われる場となります。就活生が面接者の質問に詰まったときに、同席した支援員が代わりに返答してしまったり、支援員が就活生の良いところだけをPRしたりすれば、企業側は良い評価はしません。
支援員の代弁が必要な就活生は自立できていないと判断され、就活生の課題や弱みを話さない支援員は信用できないと判断されます。
リエンゲージメントでは、支援員の役割は就活生が面接準備を主体的に進められるようにサポートすることと、就活生が準備してきたことを面接で発揮できるようにサポートすることと考えています。
各機関との連携
リエンゲージメントでは各機関と連携して、就職までのサポートと就職後の安定勤務を実現しています。

- ハローワーク専門援助部門
- 障害者手帳を持つ方のためのハローワークです。就職に関する相談から求人紹介、面接練習をお願いしています。また非公開求人の紹介も受けています
- OBの就職企業
- リエンゲージメントのOBが就職した企業には、企業見学と実習をお願いしています。企業側と直接連絡を取りますので、柔軟なスケジュールでの見学と実習が可能になります
- 東京しごと財団
- 企業実習と委託訓練をお願いしています。企業実習は就職前に企業の仕事を体験することができ、委託訓練は就職に向けてPCスクール等で専門訓練を受けることができます
- 新宿区勤労者・仕事支援センター
- 生活支援から就職支援まで、幅広い支援活動を行っています。障害者就労のポイントを教えて頂く職業講話の開催をお願いしています
- 相談支援事業所
- リエンゲージメントを利用するのに必要な、障害福祉サービスの利用計画書の作成と、定期的なモニタリング面談をお願いしています
- 障害者就業・生活支援センター
- 就職後の就労定着期間である3年間が終了した後に、バトンタッチして就業者の継続的なサポートをお願いしています
- 新宿御苑前リワークセンター
- リエンゲージメントと同じグループの医療系リワーク機関です。自立支援医療制度の対象であり、3ヶ月間の体調回復コースを用意しています
- ブレインケアクリニック
- リエンゲージメントと同じグループの精神科クリニックです。
他院からの転院相談にも乗っています。生活保護の方も受診できます
- 日本心理検査センター
- リエンゲージメントと同じグループの心理検査センターです。知能検査、作業検査、発達障害検査など、すべての心理検査を受けることができます
- 新宿御苑前カウンセリングセンター
- リエンゲージと同じグループのカウンセリングセンターです。公認心理師と臨床心理士が常駐し、家庭から仕事までの悩みを相談者と一緒に解決します
03-5315-4940
03-5315-4940